アイキャッチ画像は、これはウン十年も前のファンクラブの思い出の一場面。
友人のご紹介で参加したファンクラブで、日本を訪れたマエストロ1との貴重なひととき。
ワイセンベルクは、現代の音楽シーンで尊敬される巨匠の一人であり、特にカラヤンとの数々の共演で知られています。
アレクシス・ワイセンベルクの生涯: 創造性と情熱に満ちたピアノの旅
アレクシス.ワイセンベルク氏は1929年、ブルガリアのソフィアに生まれました。早くも十代で天才を発揮、ピアニストとしてのデビューは14歳の時。ユダヤ系で第二次世界大戦中はワイセンベルク自身も収容所に入れられます。幼い頃から作曲家のウラディゲロフに作曲とピアノを学び 戦後は、米国に渡ってジュリアードに入学、シュナーベルらに学びます。ランドフスカにも師事。1947年レーヴェントリット国際音楽コンクールに優勝し、華やかな活動を開始しますが、1956年突如として、自分の音楽を見つめ直すため演奏活動からの引退を決意。 10年後、再びコンサート・シーンに戻ってきたワイセンベルクはすぐにカラヤンと共演、数々のレコーディングで超一流ピアニストとしての地位を確かにします。1972年、28年ぶりに祖国ブルガリアに帰国。政府からキリル・イ・メソディ賞を授与され、1975年に名誉市民権を与えられた。2012年1月8日、スイス連邦のティチーノ州ルガーノにて長期間の闘病生活の末に死去。82歳没。
前半部分は、ワイセンベルク氏が晩年に自身のピアノを振り返ったインタビュー。
演奏は「1:58」から始まります。
演目は[ラフマニノフピアノ協奏曲 第3番 3楽章]
ワイセンベルクの魅力:クラシック音楽の奥深さと独自の表現力に心酔する
クラシック音楽は、演奏者から強い魅力を感じ、その演奏に引き込まれ、「もっと聴きたい」と心から思わせる力があります。
私がクラシック音楽に魅了され、ワイセンベルクの魅力に心を奪われているのは、まさにこの一点にあるのです。
100人のピアニストがいれば、おそらく100通りの演奏があるでしょう。
ショパンのエチュードをしてもホロヴィッツも、アシュケナージュもアルゲリッチも、ポリーニも、
楽譜は、一つですが同じように聞こえてくるもの 何一つありません。
その違いが分かるようになったのは、ワイセンベルクを知ってから、 いろいろなピアニストの演奏を聴き比べるようになってからだと思う。
それは、ピアニストだけではない。オーケストラにおいては、指揮者のタクトの一振りで、まったく別物かと思うほどの違いが見えてくるのです。
彼の演奏のアンチブログや評論を読むと 「あなたは、マエストロを知らないからだ」と言いたくなる。
独特の硬質でクリスタルな響きと、胸のすくようなスピード感を聞かせる超絶技巧。
ドライビングのBGMに最適だと思うのは、私だけでないはず。
ポリーニ2のショパンエチュードもそそられる演奏です。
アルゲリッチ3のショパンピアノ協奏曲の叫びとも聞こえる演奏も好きです。
でも、気がつけばワイセンベルクのアルバムが書棚を埋めていました。
偉大なピアニストであるアレクシス・ワイセンベルクがスイスのルガーノで、命を終えられたのは、2012年1月8日。享年82。
思い返せば、最後に聞いた演奏は、お年を召されてからの大阪のフェスティバルホールでの演奏。
演奏曲は、モーツアルト協奏曲。
その姿は、まるで紅茶をのんでいらっしゃるのかしら?と思うほど。
体を動かさず豊かな音色を聞かせてくださいました。
長らく表舞台に立たれていない。
お元気であれば、いつかあの姿をもう一度、あの演奏がもう一度聞けるかもしれないと思っていました。
今はどうされているのだろう・・・とふと思いサイトを検索したのが
忘れもしない2012年1月11日。
3日前にお亡くなりになられていました。
「もう目かかることができない」という焦燥感が身体の中をつきぬけました。
ファンクラブ限定の写真とコンサートパンフレットが綴る感動の時
若かりし頃に行った、数少ない貴重な「ファンクラブ」での思い出が私の宝物です。
マエストロが初来日してから、長くお付き合いのある竹森様が発起人としてされている、30名ほどの極々限られた方々とのファンの集いに偶然、参加することができました。
来日されたマエストロとお会いできた貴重な時間です。
マエストロと握手した時「まあ!なんて柔らかい手なんだろう。
それに思ったより小さい手…。
包み込まれたふんわりとした感触が、何十年経っても褪せることなく思い出されます。
会が終了する頃に、ご自宅の前で撮影された愛犬とのポスターにサインをいただき、そのポスターを頂戴しました。
あと少し、思い出の品があります。
それは。また後日・・・・・。
戦時中の試練と音楽への軌跡
ブルガリアがナチス・ドイツと同盟していたため、ユダヤ系のワイセンベルク氏は1944年に強制収容所に送られました。しかし、イギリス空軍の爆撃による混乱を機に、母親と一緒にトルコへの脱出に成功しました。その後、イスラエルに逃れ、同年にテルアヴィヴで行ったリサイタルは大成功を収めました。
ブルガリアがナチス・ドイツと同盟していたため、ユダヤ系のワイセンベルク氏は1944年に強制収容所に送られました。しかし、イギリス空軍の爆撃による混乱を利用し、母親と一緒にトルコへの脱出に成功しました。その後、イスラエルに逃れ、同年にテルアヴィヴで行ったリサイタルは大成功を収めました。
ワイセンベルクのファンたちにとって、このエピソードは幅広く知られています。
マエストロがこれを乗り越え、生き抜いたことで、数えきれないほどの音楽愛好家の心が深く豊かになったことは計り知れないでしょう。
アレクシス・ワイセンベルクCollection
私のコレクションの一部をご紹介します。
当記事のワイセンベルクまとめカテゴリーはこちらから → 「ワイセンベルクまとめ」のセクションは以下からご覧いただけます。
マエストロ自身が作曲した珍しいCDもありますよ。曲風は、ジャズっぽいです。
名盤は数多くありますが、私はこれらが推しです。
半端なく「すごい!!かっこいい」です。
YouTubeにも上がっていますので検索してみて下さい。
ヘッドホンをつけて聴くと、最高なんですよ。
アレクシス・ワイセンベルクの音楽は、心に響く感動と魅力がいっぱい。その演奏に触れて、心地よい感動の世界に浸ってみませんか?
Alexis Weissenberg: Classic Archive [DVD]
DVD版は数少なく、そのリンクは以下に掲載。
AKEファルク監督、ストックホルムのスタジオで撮影されてもの。
「ペトルーシュカ」が含まれている海外製のDVDです。
これらのDVDに収められた映像は全て40年以上前の古いものですが、非常に美しい構成となっています。
【収録曲】
- Igor Stravinsky: Three Movements from Petrushka
- Sergei Prokofiev: Piano Sonata No.3
- Alexander Scriabin: Nocturne for the left Hand Op.9 No.2
- Sergei Rachmaninov: Prelude Op.23 No.6
- Frédéric Chopin: Piano Sonata No.3 – Largo, Nocturne Op. Posth. In C minor, Étude Op.25 No.7
- J.S. Bach: Chromatic Fantasy, BWV 903, Partita No.6 – Corrente
- Johanes Brahms: Piano Concerto No.2
アレクシス・ワイセンベルクCollection
あとがき
アレクシス・ワイセンベルクの音楽は、深い感動と心に響く魅力を秘めた演奏です。
その奏でる音楽の美に触れ、感動の旅に出かけてみませんか?
【脚注】
コメント
コメント一覧 (4件)
はじめまして。
50代女性です。
子どもの頃ピアノを習い、すぐ挫折して懲りずに大人になってまた習い、つくづく楽器の演奏に向かない。と悟った者です。
私もワイセンベルク氏のファンです。ピアノの先生に「ワイセンベルク・アンコール」というアルバム教えて貰い聴いたのがきっかけです。
氏のアルバムは何枚か持っていますが、一番好きだったのはドビュッシーのアルバムです。氏に何度かファンレターまで書きました。
時間が流れ、そういえばワイセンベルク氏どうしているのかしら?とネットで調べたたら、すでにお亡くなりになられていて、そのことを知った日一日中憂鬱になりました。ステージを観る機会は残念ながらありませんでしたが、こうしてファンの方がブログを書かれていてとても嬉しく思います。
私のヒーローでもある方です。
突然のコメント大変失礼致しました。
コメントありがとうございます。
お返事が遅くなってすみません。
ピアノは奥が深いですね。
突き詰めれば、突き詰めるほど、自分の技量のなさに涙涙です。
私もワイセンベルクファンの方とこうして交流が出来て
とても嬉しく思います。
また、気になる記事がありましたらご案内できればと思います。
昔のことでよくは覚えていないのですが、来日された時のインタビュアーは黒柳徹子さんでした。黒柳さんからのリクエスト曲は北原白秋・山田耕筰の「この道」(黒柳さんの英訳はOn my way 私ならThis Roadなんて無粋に訳しちゃう)
ジャズアレンジの素晴らしい演奏でした。
その時のマエストロの言葉は「ピアノは背骨で引くのだ」
「独特の硬質でクリスタルな響きと、胸のすくようなスピード感を聞かせる超絶技巧」の秘密の一端はここにあるのでしょうか?
コメントありがとうございます😊
私は子供の頃に偶然、「徹子の部屋」に出演されていた放送を正座をして見ていた記憶があります。
マエストロの音楽を知る前だったのですが、ハッキリと今でも覚えております。
「この道」のジャズアレンジを聞かれたのですね。
なんて羨ましい事❣️
私も聞いてみたかったです。
ジャズといえば、マエストロが作曲したアルバムがそれに近いです。
ご参考までに当ブログで紹介致しました記事のリンクを貼っておきますね。
https://www.himetei.jp/alexis-weissenberg/
マエストロの言葉「ピアノは背骨で引くのだ」も氏の演奏スタイルに表れています。
素敵な言葉を教えて頂きありがとうございました。